辺境系キャリアのレシピ 〜新卒即無職→海外就職→スペインMBA→?〜

34歳男性、2人の子持ち。2018年1月よりマドリード・IE Business SchoolのMBA学生になります。新卒即無職→バックパッカー→シンガポール就職→日本で外資IT企業日本法人立ち上げ第一号営業→MBA@スペイン

卒業と同時に起業するための事業アイデアと、そこに至った思考プロセス整理

ビジネススクール卒業まであと半年を切りました。

入学前から考えていた通り、僕の卒業後進路の理想は「起業」なので、それに向け本格的に動いていきます。まずは、昨日ツイッターで以下の投稿をしました。

自分の頭の整理も兼ねて、なぜこのアイデアでやっていきたいと思ったのかをまとめておきたいと思います。

僕がやりたいと思っていたことと、MBA生活を通じ体験したこと

1. 人が作ったものを売るのではなく、作り出す側に回りたい(できればBtoCで)

僕はスペインに来るまで、直近の7年ほどを外資系ソフトウェア会社の営業として過ごしました。特に最後の5年弱を過ごしたTableau Softwareでは日本法人3人目の社員、1人目の営業としてジョインし、組織が100人近くなるまでを間近で見ました。

日本での認知度がほぼゼロだった製品が次第に受け入れられ、業界の標準になっていく過程を体験できたことは素晴らしい財産になりましたし、おかげさまで1,000万円を超えるビジネススクールの学費を捻出できる程度の蓄えもできました。日進月歩で進化していくテクノロジーの世界は、僕の好奇心を満足させてくれるものでもありました。

 

一方で、外資系IT企業の日本法人というのは言うなれば「日本営業所」です。

主に所属しているのは営業のプロたちで、「今後伸びる製品やプロダクト」を持つ会社への転職を繰り返しながら、給料やポジションを上げていくという人々でした。言うなれば、凄腕の傭兵集団です。ものを売るプロではあるのですが「製品そのものを作り出す側」ではないというのがいつも引っかかっているポイントでした。

また、売っているのは法人向けのIT製品なので、普段話をするのは自社の社員と、大企業の社員の人たちと、あとSIerをはじめとするパートナー。これは売る製品や会社が変わっても変わりません。「果たして自分は、この業界であと何十年も過ごしたいのか?」と自問した結果、答えはノーでした。できればBtoBの世界を出て、消費者と直接接するビジネスがしたい。でもどうやったらいいんだろう?そんなことを考えてビジネススクールに入学しました。

2. Exponentialにスケールするビジネスがしたい

BtoCモデルのビジネスでまず思い浮かぶのは、飲食です。

日本を出る前に寿司学校に通ってお寿司の握り方を学んできたので、ビジネススクール在学中は友達の家で寿司を握ったり、ケニアで、南アフリカで、ナイジェリアで寿司を握ったり、「マドリードに牛丼屋を出す」というアイデアでビジネスプランコンテストのファイナリストになったり、色々試しました。

そこで学んだ一つ目は「食にはすごい力がある」ということ。僕のお寿司なんて本職には遠く及ばないものだけど、お寿司を握りに行った先々で人々が非常に喜んでくれました。寿司パーティーを開くたびに、僕は新たな人々と知り合い、打ち解け、そしてまた新たな機会が生まれました。

一方で、たとえば僕が寿司屋を開くとして、開店には多額の費用がかかり、集客は保証がなく、もし店がうまくいったとしても影響を与えられる範囲は限られている。ビジネスを大きく成長させるには多店舗展開するしかないが、店舗の数に応じて固定費が増えていく…スタートアップに要求される「Exponential Growth」とはかなり異なるビジネスであることがわかりました。

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やっぱり、Exponential Growthを目指すならTech Startupだよなあ…そんなことを考えるようになりました。

3. コミュニティを作りたい

在学中に読んだ本で、すごくいいなと思ったものがありました。『Airbnb Story』という、Airbnbの創業から2016年くらいまでを取材してまとめた本です。

何がいいと思ったかというと、Airbnbにはそのサービスが大好きなユーザーがいて、かつ世界の各地域・各都市に熱狂的なホストがいて、彼らがコミュニティを作っていること。このサービスによって人生が変わったという体験を共有していること。これは同じくExponentialに伸びるビジネスでも「たとえば決済サービスのPaypalでは起きないことだろうなー」と思う部分。人の「体験」に関わるビジネスをするのがキーだなと考えるようになりました。

さて、どうやって形にしようか

食を通じた体験の共有

「Exponentialに成長するポテンシャルを持った、圧倒的な体験によって熱烈なファンコミュニティができるテクノロジービジネス」。言うだけなら簡単ですが、「そんなんどうやって実現すんねん」となるとあまりにもハードな課題設定です。

色々振り返っている間に考えたのが、自分がMBA生活を通じて感じた「食の力」についてでした。食の体験を通じて、人は体験を共有し、コミュニティを強めていくことができる。これを、テクノロジーを使って支援していくことができないか。

コミュニティ形成の場としての飲食

一部の飲食店は、明確にコミュニティ要素を持っています。たとえばスナックやバー。そこには、人が人に会うために集まってくる。一方で、それ以外の飲食店ではコミュニティ形成の場としての側面があまり意識されていません。既存のサービスも、例えば食べログのように「お店」の情報が中心で、そこにご飯を食べにいったユーザーが食べたものの「レビュー」をする。

なぜそうなってしまうのか。僕が考えたのは、関係性が「店 対 人」になっており「人 対 人」になっていないからではないかと言う仮説でした。そして、料理人とお客さんの関係やお客さん同士の関係にフォーカスしたメジャーなウェブサービスはありませんでした。

店ではなく「人」に客がつくということについて

「人にフォーカスした飲食系ウェブサービス」という着想があったものの、それを実現したら本当に誰かの役に立つのか確信はなく、確認の必要がありました。

偶然、すごく良い題材が身近にありました。数年来の友人である山口シェフ(ぐっさん )が、シェフのコワーキングスペースとして鳴り物入りでオープンする『リダイン銀座 』というレストランに入居し開業することになったのです。ぐっさんは元々、渋谷の『炭火焼びすとろ SUMIKA』というレストランの料理長だったのですが、ツイッターでの発信により「ぐっさんの料理を食べにSUMIKAに行ってみたい」という人が増え、実際に来店した人は美味しい料理とぐっさんの人柄によりファンになる、という好サイクルが回っていました。

 リダイン は「シェフのコワーキングスペース」なので複数人のシェフが入居しているのですが、ぐっさんのお店は開店からいきなりの来客ラッシュにより満員御礼。食べにいった人がツイッター上で結果報告をすることによりさらに来客が増える、という状況になりました。

 これを目の当たりにしたことで、僕は「シェフと中心としたファンコミュニティができることで、飲食店の開業リスクが圧倒的に小さくなる」ということを学びました。そして、現状では(ぐっさんのようなレアな例を除き)これから独立したいシェフが目に見える形でファンのコミュニティを作る手段がない。

ここから、具体的にどうしていくのか

卒業まで半年しかない中で、やらないといけないことはかなり重たいです。

現在、製品の方向性と初歩的な画面イメージはできたものの、これを「人が使ってみることのできるベータ版」に持っていかなくてはいけません。資金調達をするのであれば、さらにこのアイデアPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成していることを数字で証明しなくてはいけない。ぐっさんにはもっと成功して本格的な独立をはたしてもらわないといけないし、同様の成功例が他にも欲しい。今、事業のアドバイザーは何人かついてくれているものの、一緒に手と頭に汗をかいてくれる「こーファウンダー」も必要です。

 

残された時間を意識しながら、できると信じて頑張っていきたいと思います。