辺境系キャリアのレシピ 〜新卒即無職→海外就職→スペインMBA→?〜

市川慶です。3児の父。IE Business School MBA。外資ITセールスという名の傭兵稼業10年目。日本の20代30代の年収を倍増させるべく、ルーキー傭兵のリクルーティングと練兵をライフワークにしています。気軽にご相談どうぞ。

エージェント経由で転職するより、直接応募やリファラルのほうが高い年収オファーが出るというのは本当か?

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トミオだ!ちょっとオフィス移転やら何やらで忙しくて、だいぶ間隔が空いてしまった。

 

気合いの入ったエントリーを次に書けるのはもうちょい先になるかもしれないが、ツイッターでおもしろい議論があったので備忘録代わりにまとめておく。

 

ちなみに後半はほぼトミオの意見とチャレンジャーベースの話なので、客観的な意見だけを見たい人は前半だけ読んだらOKだ。

 

 

エージェントを使うと、高い年収オファーが出にくいというのは本当ですか?

きっかけは、タム@外資ITのCSMさんの質問箱

peing.net

 

外資IT企業でCSM(カスタマーサクセスマネジャー)として働いているタムさんのところに、興味深い質問が届いていた。巷で割とよく聞く話題だ。

 

直接応募なら、浮いたエージェントフィーが給料に回るのでは?

 

一般的に、エージェントから紹介された人材を採用をすると企業はその候補者の年収の20%〜35%程度をフィー(採用手数料)として支払う必要がある。「直接雇用なら、浮いたお金が給料に回るのではないか」と考えるのは自然な思考に思える。

 

トミオの意見は「たぶん誤解」

上記の意見に対して、トミオがしたコメントが以下だ。

 

 

 

パッと見た感じ、エージェントのポジショントーク丸出しだ。

 

採用権限のある人たちの意見を聞いてみたよ!

そこで、ツイッター有識者の皆さんに意見を求めてみることにした。実際に企業で人事権を持って採用を行っている人たちからコメントが寄せられたので見てみよう。

 

オファーはマーケットバリューで出るから採用経路は関係ないよ、という意見

以下の2人は、オファーする年収と採用経路には関係がないという意見だ。「入社の意思決定をしてもらえる範囲で最も安い金額」でオファーを出したいと思うのが採用側の心理なのは間違いないと思われるため、合理性のある意見のように思われる。

 

 

 

Tmiさんの「見落とす」というのは、応募自体が届いていることに気がつかないとか、うっかりメールを見落として合否の連絡が遅れたり、ということを指すと思われる。たぶん。

 

給料自体も少し変わることがあるよ、という意見

一方で、少し異なった意見もある。

 

 

なるほど、変わることもあるのか。(でも外資IT業界では聞いたことないな)

 

給料は変わらないけどサインオンボーナスが変わるよ、という意見

こんな意見も届いた。

 

 

 

どうやら、差が出ることもあるみたいだ。ただ、ここで注意しておきたいのは、返信をくれたルイスさん、はやっとさん、Keniさんは外資IT業界の人ではなく、プロフェッショナルファーム(コンサルとかPEとか弁護士とか、そういう職場)や、ITではない領域の事業会社の人たちみたいだ、ということだ。

 

同じ外資転職でも、IT業界とそれ以外、特にコンサル業界とは結構大きな違いがある。コンサル転職の際は「サインオンボーナス」という形で入社時にいくらかお金をもらえることが多いみたいだけど、僕が知る限り、外資IT業界で必ずサインオンボーナスを出している会社は一社だけだ。(どこかは直接聞いてね)

 

トミオによるまとめ

そんなわけで、「あくまで外資業界では」という条件付きで語るなら、以下が正しいと考えている。

 

エージェントを利用することでオファーされる年収が低くなる、ということはない

一般に、オファー金額は「その候補者にやってもらう仕事のレベルや経験値を鑑みた上で適切と思われ、また同じ人材を巡って競争している他社からのオファーに対して競争力のある金額」になる。

 

ポイントは「その人材を他社に採られない、ギリギリ最安値」で採用できたらラッキー!というところだ。

 

直接応募やリファラルで損をするのは「適正な年収がわからない」から

転職活動を毎月行う人間などいない。いくら比較的人の移動が多い外資IT業界といえど、数年に一回というパターンが多いはずだ。

 

数年に一回しか行わない転職活動に「正しい情報」を持って臨むのは非常に難しい。マーケットの状況は刻々と変わる。自分がやる仕事内容も階級も変わるから、前回の転職活動時の経験はあまり役に立たない。

 

エージェントは「相場観を知っている」という点において給与交渉の役に立つ

エージェントの担当者は、毎月何十人もの転職者をサポートしているし、クライアントともよく会話をするため「この人材がこの会社からオファーをもらうとしたら、このくらいの金額までは交渉できるはずだ」という情報を持っている。これが、エージェントの強みだ。

 

あとは、「オファー年収を上げるほど高いエージェントフィーをもらえる」というのもあるが、これは年収交渉のモチベーションであって強みそのものではない。

 

結局、どの方法で企業に応募するべきなのか?

絶対の正解はない。だが、「直接応募」は最後の手段と考えたほうがいいんじゃないかな。

突き詰めると、企業への応募方法は3種類しかない。1. エージェントを使う、2. 直接応募する、3. リファラル応募だ。

 

 

僕の意見は「エージェントとリファラル、どちらがいいかは状況による。でも、そのどちらかを選べるのであれば直接応募は避けるべき」である。

 

なぜなら、転職活動で最も重要な「情報」へのアクセスが少ない状態で戦わないといけないからだ。

 

転職活動は情報戦。自分の力を拡張してくれるパートナーを選ぼう。

ある会社を受けにいくとして、最初から以下のようなの情報が全部揃っていたらすごく便利じゃないだろうか?

 

  • その企業の製品情報、競合企業、日本市場での動向などの周辺情報
  • 面接プロセスの進み方、誰が面接官として出てくるか、その人はどんなタイプでどんな質問をするか
  • オファーされる年収はおよそいくらくらいなのか。どのくらいまでは交渉できそうか

 

さらに、こんなサポートも付いていたらより便利ではないだろうか?

 

  • CV(英文履歴書)の作成や校正を手伝ってくれる
  • 面接対策を行ってくれ、プレゼンや資料作成などの課題作成の手助けもしてくれる
  • 応募先企業で働いている人と直接つないでくれ、話を聞く機会をくれる

 

僕のおすすめは、これらを提供してくれる人をパートナーにすることだ。そして、「その人」はリファラルしてくれる社内の人なこともあればエージェントの担当者なこともあるし、場合によっては「誰も当てはまらない」ということもあるだろう。

 

チャレンジャーベースは、チャレンジャーのパートナーでありたい気持ちで頑張っています

チャレンジャーベース株式会社は、外資IT営業の経験しかなく、人材紹介経験ゼロのトミオが半年前に始めた会社だ。正直、知らんことばっかだから失敗だらけだし、それでチャレンジャーに迷惑をかけたことも一度や二度ではない。上で書いたような「理想のエージェント像」にはほど遠い。

 

失敗だらけだが、「一人一人のチャレンジャーの人生を応援したい」という気持ちで事業に取り組んでいる。転職活動を始めようと思った人が「とりあえずチャレンジャーベースに相談してみようかな」と思えるような会社になれたらと考えている。

 

あなたがこれから外資IT業界への、もしくは、外資IT業界での転職を考えたとき、僕らに応援させてもらえたら嬉しい。

 

#みんなおいでよ外資IT

 

ようこそチャレンジャーベースへ(新オフィス内装工事中の一枚)