IEというビジネススクールを第一志望に選んだ経緯と理由、不安だった点など
さて、せっかくの発信機会なので進学先についても書いていきたいと思います。
合格体験記でもちょっと触れたので重複するところもあるかもしれませんが、もう少し突っ込んで書きたいと思います。
IEという学校に興味を持ったきっかけ
ビジネススクール受験を決意した2016年から、さらに4年ほど遡ります。
シンガポールに住み働いていた頃、大変お世話になった5歳上の日本人の友人(Yさん)がIE Business SchoolのInternational MBA Programに進学しました。僕がバックパック1個を背負ってシンガポールに到着した当日に知り合い、今も交流が続いている僕のロールモデルです。
彼が時々アップする同級生との写真や、卒業後世界中を飛び回りながら充実した働き方をしているのを見、MBAと「IE」という学校に少し興味を惹かれ始めました。最初知っていたのは「トップスクールの1校であること」「Entrepreneurship Educationに強みを持つこと」くらいでしたが。
なぜIEを第一志望にしたのか
第一段階:ケープタウン大学からトップスクール群への志望変更
「ビジネススクールを受験しようかな」と思い始めたのが2016年の初旬でしたが、最初に頭にあったのはケープタウン大学のビジネススクール(Graduate School of Business, University of Capetown)でした。理由としては以下の3つ。
1. アフリカで一番のビジネススクールであり、Financial TimesのMBAランキングにもアフリカから入っていたこと(2016年のランキングで76位、2017年のランキングでは圏外)
2. 学費が安かったこと(当時のレートだと卒業までにかかる学費が300万少々)
3. 「将来アフリカで働きたい」という夢に一歩近づけるのではないかと思えたため
実際、2016年のケープタウン大学MBAコースに唯一の日本人として進学したかつろうさんにコンタクトし話を聞かせていただいたり、日本に一時帰国されたタイミングでお会いしたり、2017年に進学する方と会って話を聞かせてもらったりしました。
お二人とも非常に魅力的な方で興味深いお話を聞かせていただき興味深いお話を聞けたのですが、いくつかマッチングがまずそうなところも見えてきました。
1. アフリカでMBAを取っても、どうもアフリカで就職できないっぽい。南アフリカは失業率が非常に高く(26.6%)外国人にビザが出るのは稀だし、他のアフリカ諸国はそれ以上。
2. 入学者の平均GMATスコアが550点と低い。それ自体は志望度が高ければ無視できる程度だが、僕のように子持ちの人間がMBAをキャリアの保険として使うには心もとない。
3. なぜアフリカなのか、なぜ学校なのかについて家族の理解を得るのも相当大変そう。
前述のIEアルムナイである友人Yさんに電話で相談したところ「どうせ受験するならトップスクールがいいと思うよ。例えばIEを卒業してるって言えば少なくとも就職先に困るってことはないじゃん。最近日本人受験生減ってるからわりと受かりやすくなってると思うし、IEは変な人好きだから慶君に会うと思うよ」と言われたのも決め手になりました。
これが2016年の9月頃。このタイミングで志望校を「Financial TimesないしはThe Economistのランキングでトップ20に入っている、非英語圏のヨーロッパのトップスクール群」に変更しました。(ちなみに「日本人受験生が減っている」は誤りであったことが後ほどわかりました…笑)
第二段階:第一志望群の中から本当の第一志望へ
IEが第一志望になったのが、2018年2月のスクールビジットです。1週間の有給休暇を取ってフランスとスペインへ行きました。どちらも初めての訪問です。
フランスでINSEAD、HEC Parisへビジットし、スペインではまずバルセロナへ行きESADEとIESEを訪問、最後に立ち寄ったのがマドリードのIEでした。
まずはキャンパスの雰囲気に驚かされました。市街地に点在する校舎群の中は、洗練されているんだけど、都会的で型にはまらない感じ。思わずYさんに「IEめっちゃいいですね!今回訪問した他のスクールと雰囲気が違い過ぎる」とFacebookでメッセージしました。
学校に「現役のDual Degreeの学生を紹介してほしい」と伝えておいたので、インド人の現役学生の方がキャンパスを案内しておいたのですが、僕が学校の雰囲気についてコメントしたとき、彼女が返してきた”This school is forward-looking”というフレーズが頭に残りました。
また夜には日本人含め10人程度の現役学生の方達が飲んでいる場に顔を出させてもらったのですが、そこで皆が口々に「IEのDiversityは本物だ。皆が違ったバックグラウンドの人間と交流するために来るし、学校も異文化コミュニケーションを強力にバックアップしている」と話すのを聞き、ますます好きになりました。
ということで、第一志望群である「非英語圏のトップビジネススクール」の中でIEを選んだ理由としては、合格体験記にも書いた通り以下になります。
1. Diversity
2. カルチャーフィット
3. MBAと”Master in Big Data”のDual Degree
IEに関して不安だったところ
主に直感で第一志望を決めたわけですが、とても不安なポイントがありました。
本当にトップスクールなのか?
冗談のようですが、切実でした。そして、ちゃんと理由がありました。
1. 英語のMinimum Requirementが低い。UKの各校やフランスのINSEADやスペインのIESEはTOEFL 105、IELTS 7.5をミニマムに設定しているところ、IEは7.0。
2. IEはIE Testという独自試験を行っており、GMATスコアがなくてもIE Testで代用することができる。「学校は入学者のGMAT平均を690程度と言っているが、スコアの低い人はIE Testで出願するだろう。多分に誤魔化しが入っているのではないか」と邪推しました。実際、一定程度の真実を含んでいると思います。
3. IEの準公式日本語サイトにある過去の学生のスコアがあまり高くない。TOEFLは100点切りがちらほらいるし、受験生の中でIE Testで出願している人の割合が余りにも多い。GMATで出願している人も、ほとんどが600点台前半。
「優秀な人と切磋琢磨するためにビジネススクールへ行くのに、学生が優秀でないのであれば意味がないのではないか?」という不安が頭をもたげました。
それでも「自分の直感がここだと言っているのだからそれを信じよう。長期で見たら、この学校は絶対に浮かび上がってくるはずだ」と信じることにしました。
不安だった点は、実際どうだったか
結果としては(少なくとも現時点では)杞憂でした。しかも思いの外早く結果が出ました。
今、僕と同期になる2018年1月入学生10人程度のプロフィール取りまとめをしていますが、過去の学生プロフィールと比べて格段にスペックが上がっています。IELTSで受験している学生は皆7.5以上で、7.0しか取っていない僕が一番低い。合格者の半分以上はGMATで出願しており、その全員が600点台後半か700点台。Undergradの学校レベルも非常に高い。
理由としては、2017年版Financial TimesのMBAランキングで8位と前年の12位から上がりトップ10に入ってきたことでトップ層が安心して選べるようになったこと、僕と同じく「他の学校とまるで違うIEらしさ」に惹かれてピンポイントで選ぶ人が多かったのではないかと思っています。
IEのちょっとイカれてると思うけど大好きなところ
学校パンフレットの最初のページ、学生プロフィールの欄に"Unconventional thinkers that dare to be different and embrace change as a form of growth and innovation"て書いちゃうところ。すごく狙ってる感じがするしクサいんですが「そうそう、それなんだよ俺が求めてるのは」ってめちゃめちゃテンションが上がりました。
しかもこのDiversityへのこだわりは尋常でなくて、2017年9月入学の学生、2018年1月入学の学生を見渡すとあまりにも出身業界や職種がバラバラ。マドリードへ行くとこれが500人規模の多人種、多国籍で発生するので「まさにカオス」だそうですが、本当にそうだと思います。
他のトップスクールと話すと、学校によっては金融コンサル商社で9割方を占めていたり、一方で製造業出身がやたら多いスクールがあったりしますが、IEのこのバラけさせ方は驚異的だし、執念めいたものを感じます。
まとめ
そんなわけで、色々と迷いながら絞り込み「エイヤ」で決めた志望校ですが、現在は大変ハッピーです。「成長とイノベーションのために、人と違うこと、変化することを厭わない人」と多くの時間を過ごす人生を過ごしていきたいと思いますし、その軌道に乗れていると感じます。
IEに関してでも、他の学校についてでも、知りたいこと、疑問に思うことなどがあればお気軽に連絡ください。keidgi@gmail.comでもいいですし、以下のツイッターアカウント宛に投げていただいても大丈夫です。(相互フォローでなくてもDM受けられます)