辺境系キャリアのレシピ 〜新卒即無職→海外就職→スペインMBA→?〜

市川慶です。3児の父。IE Business School MBA。外資ITセールスという名の傭兵稼業10年目。日本の20代30代の年収を倍増させるべく、ルーキー傭兵のリクルーティングと練兵をライフワークにしています。気軽にご相談どうぞ。

IEの合格者インタビューに取り上げてもらっています

IEの合格者対談に、僕トミオも参加させてもらっています。(ブログを読んでくださっている方ならすぐわかると思いますが、Bさんです)

 

僕自身は言いたいように言ってる上にまるで「キャリアアップ」が頭にない上に完全に海外志向なので参考になるか怪しいですが、残り2名は「日系大企業の社費生」と「海外大卒のコンサル」で、日本でキャリアを積んでく予定の人たちのはずなので、合わせて読んでもらうと参考になるかもです。

iembajapan.jimdo.com

 

iembajapan.jimdo.com

 

受験勉強は短期詰め込みで一気にやっちゃったから、それほど書くことないんだよなあ、というのが話してて思ったことでした。

それより何より、大切なのはここから。頑張っていきたいと思います。

寿司学校を卒業し、発表会を終えました

無事、1ヶ月間の「板前寿司学校 寿司基礎技術完全習得コース」を修了しました。 今回のエントリーでは、ざっくりとした振り返りと卒業翌日に行った発表会(兼僕の送別会)の話を。

 

お世話になった佐藤先生とのツーショット。発表会の献立作りから仕入れ・仕込み、当日のオペレーションについてまですべて手を焼いてくださいました。

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「人生で一度も魚を捌いたことがない」というところから始まった寿司トレーニングですが、流石にトータル20日、140時間も魚や寿司と格闘しているとどうにかなるものですね。基本となるアジやタイはもとより、アナゴや新子といったちょっとコツのいる魚も無事捌けるようになりました。下の写真は僕が作ったアジの姿造りです。

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11/17(金)に寿司学校を卒業した後、その足で11/18(土)に発表会をしてきました。秋葉原の、最大30人くらい入るレンタルキッチンを借りての僕の送別会です。

まずは、早朝から築地へ。僕より圧倒的に料理が上手な友人2人に「寿司以外全部」担当として仕入れから付き合ってもらう。

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場内の、板前寿司グループが契約している仲買さんから魚を仕入れる。これはタイを活き〆にしてもらっているところ。エビやイカなど、仕込みの必要なものは前日に受け取って仕込みを完了してるので、当日はウニやマグロなどを中心に仕入れ

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築地市場場外にて、お茶、海苔、刻みたくわん、玉子、松茸、その他諸々を買い込み。

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寿司パーティー開始。昼の部が15人、夜の部が20人くらいの参加者。

ボトルネックになったのは(予想してた通りだけど)板前の握りの遅さ。段取り以上に時間がかかるも、参加者の心の広さと優秀なスタッフのホスピタリティ&素敵な料理によってなんとか乗り切りました。

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学んだことは、イレギュラーは常に発生するということ。諸々環境が整った日本のレンタルキッチンであれなんだから、今後海外で握るとなったらなおさら。場数を踏んで、柔軟に対応できるようになっていきたいと思います。

NEXT STEP

11/25に、マドリードへ飛びます。12/19までスペイン語コースがあるのでそれに参加した後、12月後半はアフリカで過ごす予定。ケニアの日本人コミュニティに新鮮な魚を届けて寿司を握ってきます!!!アフリカ進出の最初の武器は寿司。頑張る。

寿司学校に通い始めました

以前のエントリーで寿司学校に通う話をしましたが、実際に先週から通い始めました。

ちょっとブログ専用に記事を書いてる余裕がないので、Facebookに上げた初日の報告を以下に転載&写真を何枚か。

 

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寿司学校1日目。34歳の誕生日は寿司を握って迎えました。
 
西新宿、1階2階に板前寿司の店舗が入ってるビルの4階、寿司屋の居抜きをそのままスクールにした寿司学校で、板前寿司グループ総板長・佐藤 眞史先生に師事して寿司を学び始めました。
朝10時から夕方6時まで、これを週に4回。同期は4名。僕以外は皆地方や海外から、このためだけに上京してきているという気合いの入りっぷり。
 
寿司に関する知見がまったくない状態で入学したわけだけど、初日からでかいタイのウロコをバリバリ剥がして解体して切りつけて飯と一緒に握って寿司にする、なんてことができるようになっているカリキュラム、大変おもしろいなと。
 
昼食は毎日、自分で切った魚で自分で寿司を握って食うスタイル。これも大変おもしろい。握りも切りつけも、その他各所作もひどいもんだけど、最初の一歩を踏み出したということで満足。
 
「練習用に持って帰りなよ」と寿司飯とアジをもらうことができたので、帰宅後、家族が寝静まったキッチンで握った寿司を冷蔵庫に入れておいてみた。奥さんの反応はどうだろうか。
 
<初日にやったこと>
・飯炊きと寿司飯の作り方
・タイの捌き方、切りつけ方
・アジの捌き方、切りつけ方
・イカの捌き方、切りつけ方
・握り方ベーシック
 
<これはすごい、と思ったこと>
佐藤先生の50年以上の職人人生から学んだこと、身につけたことを惜しみなく共有してもらえるのが良い。
特に、高級店で客の前に立ったときの寿司職人の所作に関するアドバイスが非常にためになる。
「自分が客の立場で、職人がこれをやられたら嫌だなということをやらないようにしないといけない」というのが基本で、その精神が手の洗い方や包丁を拭くタイミングにまで行き届いている。

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IE在校生インタビュー記事紹介(2017年10月16日付)

 IEの日本語ウェブサイトで、2017年9月にIEに入学した在校生2名のインタビューが掲載されました。卒業生がインタビューをする、対談形式になってます。おそらく卒業生は、自身が卒業生でもある、IE Japan Office代表の飯野さんかな?

 

僕は在校生の2人と会っていますが、1人は「男性・既婚子持ち・社費・金融」、もう1人は「女性・芸術系バックグラウンド・私費・製造業」と、バックグラウンドや進学の動機が大きく異なる2人にインタビューしているのが面白いなと思います。

 

卒業生 x 2017年9月入学在校生 対談 (2017年10月16日追加) - IE MBA JAPAN

 

僕もインタビュー内容を読んでみたのですが、バックグラウンドの異なる2人が共通して、IEを選択した理由に「EntrepreneurshipとTechnologyに強いこと」を挙げているのが興味深いです。

 

(異様と言えるほどに)Diversityの高い環境で学生生活を送る上での悩む点だとか、マドリードで生活する際の物価や治安の話だとか、具体的な話が入っており僕にとっても参考になりました。

 

MBAっぽさ」というより「IEっぽさ」が出てるのが個人的にツボです。ぜひご一読を。

SAKE DIPLOMA、合格しました。

先日の記事で受験中と報告したSAKE DEIPLOMAですが、無事最終合格することができました。協会ウェブサイトで受験番号を確認しただけなので、合格証が届くのは少し先ですが。

tomyuo.hatenablog.com

 

正直、日本酒のテイスティングや飲み比べがちゃんとできるようになったかというと全くダメなのですが、受験体験を通じて日本酒の歴史・種類・製法や料理との一般的なマリアージュに関する知識が付いたことはよかったと思っています。

 

マドリードで寿司パーティーやるつもりなので、そこに日本酒も合わせられたらな、と。気づけば日本出国まで1ヶ月ほどしかありません。時間の流れの速さにビックリ。

 

 

MBA合格@IEから3ヶ月間の体験について(よかったこと編)

5/19にIE Business SchoolのMBAプログラムに合格し、3ヶ月少々が経ちました。(合格体験記はこちら

現職の最終出勤日も決まり、着々とスペイン出発に向けて進んでいます。入学はまだ先ですが「ビジネススクールに合格するとどうなるのか」ということを身をもって体感した数ヶ月でした。

確実に言えるのは「出会いが増え、人間関係の幅が広がる」ということ。過去数年続けていた会社と家の往復の生活とは比較にならない刺激を得られています。

 

正直、MBA進学のダークサイド(主に卒業後の将来について)も色々見えてはきているのですが、それは後からどうにかすればいいので置いておいて、今回のエントリーでは「よかったこと」をまとめておきたいと思います。

 

同級生ができて楽しい

9月入学、1月入学併せて、日本人だけで10数人の同級生ができました。

IEの日本語サイトの学生のプロフィールページを見てもわかる通り、業界も様々、年齢も色々ですが「リスクを取り、人生の一部を使ってこの学校で学ぶことを決めた」という点で繋がっておりすごく距離が近いと感じます。LINEやFacebookでグループを作って日々情報交換したり、8割以上が既婚者のため「家族で集まる機会を作ろう」とBBQを企画したり。

僕がビジネススクールに進学しようとする上での後押しをしてくれた本にリンダ・グラットンの『ライフ・シフト』という本があるのですが、まさに同じ本を読んで30代から進学を決意した人がいて意気投合したりだとか。楽しい。

 

IEの枠を超えたところでも、同じ年度でビジネススクールに進学する人たちの交流会があったり、有志が「ヨーロッパのビジネススクールに進学する人で繋がろう」みたいな感じでイベントを企画してくれたりして繋がりが増えました。

 

ここ数年、ほとんど仕事関係で閉じていた人間関係に一気にDiversityが生まれ、それでいて志に共通した部分があり、とても楽しい。

 

9月頭の今日までの時点で、たとえばこんな感じで予定が入りました。

・5/27、MBA生用イベントでIE合格者が7人バッタリ。そのまま飲み。

・5/27、そのまま学校横断のMBA合格者交流会。

・6/17、スペインMBA横断飲み。

・6/20、IE MBA同期飲み。

・6/26、エッセイカウンセラー主催の合格祝いパーティー。

・6/28、欧州MBA合格者飲み。

・7/5、スペインMBA合格者横断飲み平日部。

・10/20あたり、IE1月入学者家族飲み。

 

スペインへ行くと、日本人学生の人数の何十倍もの同級生ができることになるわけで、考えるだけで興奮します。非常に楽しみ。

 

学校主催イベントで同窓生との繋がりができ楽しい

合格前、IE日本オフィスディレクターの飯野さんに「海外で就職/起業してる人を紹介してください!」と無理を言って卒業生(アルムナイ)を紹介してもらったのですが「IEのアルムナイ同士は、年齢・出身国などを超えてすぐに打ち解ける」という話をしてもらったことが印象に残っていました。

 

合格してみると、これ本当だなと。卒業生の、学校に対する愛情が半端ない。そしてIEを選んだ同志ということで、新入生をすごく温かく受け入れてくれる。

自身がIEの卒業生でもある飯野さんの驚異的なフットワークと企画力のおかげでネットワーキングの機会も多く、想像していた以上に、入学前からIE浸けになっています。

 

僕が参加登録したイベントだけで、以下みたいな感じ。

(学校関係者限定のイベントもけっこう混じっていますが、、)

・7/14、IE主催 ”New Students Welcome Party”(合格祝賀会)

・7/25、IE教授 Paris de L’Etraz氏来日に伴う公開クラス

・8/16、ヨーロッパで起業した卒業生とのオンラインチャット

・8/24、IE教授 Balvinder Singh Powar氏来日に伴う、合格者と教授の夕食会

・8/25、IE Day Tokyo(公開イベント。僕は家族の事情で不参加)

・10/17、卒業生、現役学生、合格者のみのネットワーキングイベント

・11月後半、IE Big Data Day(公開イベント)

 

IE以外のヨーロッパの学校の卒業生の話を聞くと「卒業後はそれほどアルムナイの交流の機会がない」なんてことも聞くので、改めて大当たりだったなと思っています。

 

以下ページから今後の予定を確認できるので、ぜひ見てみてください。

IE主催のイベントを検索してみる

 

新しいチャレンジを通じた新しい出会いが多くて楽しい

IEはEntrepreneurshipに特化した学校なので、なんとか向こうでビジネスを作るところまで持っていきたいと試行錯誤しているのですが、そのプロセスでも、ここ最近出会っていなかったような人たちと出会うことができまた楽しいです。

 

・会社の同僚が、MBA持ちのお客様を紹介してくれ先輩訪問

・寿司や日本酒繋がりで、おもしろい人を友人が紹介してくれ食事

・取引先役員の方が、IEのアルムナイだったことが判明し飲みの約束

・餞別による留学資金調達のためのイベント開催で出会い

・暗号通貨発行による資金調達準備関連で出会い

・アフリカでのキャリア作りのための情報収集に関連する出会い

寿司学校SAKE DIPLOMA受験に関連し、新しい人との出会い

・ブログを読んだ方がコンタクトしてくれたことをきっかけにランチ

 

最後に一言

僕が影響を受けた大前研一氏の言葉があります。

人間が変わる方法は3つしかない。1つ目は時間配分を変えること。2つ目は住む場所を変えること。3つ目は付き合う人を変えること。

海外ビジネススクールMBAを取りにいく、というのは文字通り上記3つを同時に変えることなので「そりゃLife-changing Experience」になりえるよなあと思っています。

 

この機会を、今後の人生を面白くできるよう有効活用していきたいと思います。

SAKE DIPLOMA認定試験を受験してます

先日の記事で寿司学校に通うことを表明したわけですが、せっかくなので日本酒版のソムリエ資格を受験することにしました。

ワインのソムリエ試験を行っている日本ソムリエ協会が今年から開始した、SAKE DIPLOMAという試験です。

 

2017年度 J.S.A. SAKE DIPLOMA認定試験│一般社団法人日本ソムリエ協会

 

8/20に行われた一次試験(筆記)は無事通過したので、次は9/25の二次試験(テイスティング&論述)。知識は試験前に叩き込んだのでだいぶ付きましたが、テイスティングとなるとこれが非常に難しい…田崎真也ワインサロン主催の対策講座に出席してアプローチの仕方を学んだりしていますが、今のところまったく味や香りを識別できません。試験までに、もう少しマシになれるといいな。

 

先日、セネガルで日本食屋を開業した原田翔太さんに会いにいってきて「アフリカで日本食ビジネスをやること」のイメージも少し湧いてきたので、ギアを落とさずに進めていきたいと思います。

 

テイスティング会もやるから、よかったら来てね。

twipla.jp

IE MBA 2017年9月&2018年1月入学生のプロフィールが公開されました

IEの準公式日本語サイトで、今年の学生プロフィールが公開されました。

1月入学に関してはまだ増えると思いますし、会社に内緒にしてる人は情報を出さないようにしてるようですが、とりあえず最新版。

 

Students - IE MBA JAPAN

 

他の同級生とも話したのですが、英語力、GMATスコア、学部の大学レベルなどが過去数年と比較してだいぶ向上しています。日本だけのトレンドということはないと思うので、世界中から優秀な人が集まってきているのでしょう。

楽しみですが、せっかくの機会を有効活用できるよう、しっかり準備を進めたいと思います。

IEというビジネススクールを第一志望に選んだ経緯と理由、不安だった点など

さて、せっかくの発信機会なので進学先についても書いていきたいと思います。

 

合格体験記でもちょっと触れたので重複するところもあるかもしれませんが、もう少し突っ込んで書きたいと思います。

 

IEという学校に興味を持ったきっかけ

ビジネススクール受験を決意した2016年から、さらに4年ほど遡ります。

シンガポールに住み働いていた頃、大変お世話になった5歳上の日本人の友人(Yさん)がIE Business SchoolのInternational MBA Programに進学しました。僕がバックパック1個を背負ってシンガポールに到着した当日に知り合い、今も交流が続いている僕のロールモデルです。

彼が時々アップする同級生との写真や、卒業後世界中を飛び回りながら充実した働き方をしているのを見、MBAと「IE」という学校に少し興味を惹かれ始めました。最初知っていたのは「トップスクールの1校であること」「Entrepreneurship Educationに強みを持つこと」くらいでしたが。

 

なぜIEを第一志望にしたのか

第一段階:ケープタウン大学からトップスクール群への志望変更

ビジネススクールを受験しようかな」と思い始めたのが2016年の初旬でしたが、最初に頭にあったのはケープタウン大学ビジネススクール(Graduate School of Business, University of Capetown)でした。理由としては以下の3つ。

 

1. アフリカで一番のビジネススクールであり、Financial TimesのMBAランキングにもアフリカから入っていたこと(2016年のランキングで76位、2017年のランキングでは圏外)

2. 学費が安かったこと(当時のレートだと卒業までにかかる学費が300万少々)

3. 「将来アフリカで働きたい」という夢に一歩近づけるのではないかと思えたため

 

実際、2016年のケープタウン大学MBAコースに唯一の日本人として進学したかつろうさんにコンタクトし話を聞かせていただいたり、日本に一時帰国されたタイミングでお会いしたり、2017年に進学する方と会って話を聞かせてもらったりしました。

お二人とも非常に魅力的な方で興味深いお話を聞かせていただき興味深いお話を聞けたのですが、いくつかマッチングがまずそうなところも見えてきました。

 

1. アフリカでMBAを取っても、どうもアフリカで就職できないっぽい。南アフリカは失業率が非常に高く(26.6%)外国人にビザが出るのは稀だし、他のアフリカ諸国はそれ以上。

2. 入学者の平均GMATスコアが550点と低い。それ自体は志望度が高ければ無視できる程度だが、僕のように子持ちの人間がMBAをキャリアの保険として使うには心もとない。

3. なぜアフリカなのか、なぜ学校なのかについて家族の理解を得るのも相当大変そう。

 

前述のIEアルムナイである友人Yさんに電話で相談したところ「どうせ受験するならトップスクールがいいと思うよ。例えばIEを卒業してるって言えば少なくとも就職先に困るってことはないじゃん。最近日本人受験生減ってるからわりと受かりやすくなってると思うし、IEは変な人好きだから慶君に会うと思うよ」と言われたのも決め手になりました。

これが2016年の9月頃。このタイミングで志望校を「Financial TimesないしはThe Economistのランキングでトップ20に入っている、非英語圏のヨーロッパのトップスクール群」に変更しました。(ちなみに「日本人受験生が減っている」は誤りであったことが後ほどわかりました…笑)

 

第二段階:第一志望群の中から本当の第一志望へ

 IEが第一志望になったのが、2018年2月のスクールビジットです。1週間の有給休暇を取ってフランスとスペインへ行きました。どちらも初めての訪問です。

フランスでINSEAD、HEC Parisへビジットし、スペインではまずバルセロナへ行きESADEとIESEを訪問、最後に立ち寄ったのがマドリードIEでした。

まずはキャンパスの雰囲気に驚かされました。市街地に点在する校舎群の中は、洗練されているんだけど、都会的で型にはまらない感じ。思わずYさんに「IEめっちゃいいですね!今回訪問した他のスクールと雰囲気が違い過ぎる」とFacebookでメッセージしました。

学校に「現役のDual Degreeの学生を紹介してほしい」と伝えておいたので、インド人の現役学生の方がキャンパスを案内しておいたのですが、僕が学校の雰囲気についてコメントしたとき、彼女が返してきた”This school is forward-looking”というフレーズが頭に残りました。

また夜には日本人含め10人程度の現役学生の方達が飲んでいる場に顔を出させてもらったのですが、そこで皆が口々に「IEのDiversityは本物だ。皆が違ったバックグラウンドの人間と交流するために来るし、学校も異文化コミュニケーションを強力にバックアップしている」と話すのを聞き、ますます好きになりました。

ということで、第一志望群である「非英語圏のトップビジネススクール」の中でIEを選んだ理由としては、合格体験記にも書いた通り以下になります。

 

1. Diversity

2. カルチャーフィット

3. MBAと”Master in Big Data”のDual Degree

 

IEに関して不安だったところ

主に直感で第一志望を決めたわけですが、とても不安なポイントがありました。

本当にトップスクールなのか?

冗談のようですが、切実でした。そして、ちゃんと理由がありました。

 

1. 英語のMinimum Requirementが低い。UKの各校やフランスのINSEADやスペインのIESEはTOEFL 105、IELTS 7.5をミニマムに設定しているところ、IEは7.0。

2.  IEIE Testという独自試験を行っており、GMATスコアがなくてもIE Testで代用することができる。「学校は入学者のGMAT平均を690程度と言っているが、スコアの低い人はIE Testで出願するだろう。多分に誤魔化しが入っているのではないか」と邪推しました。実際、一定程度の真実を含んでいると思います。

3. IEの準公式日本語サイトにある過去の学生のスコアがあまり高くない。TOEFLは100点切りがちらほらいるし、受験生の中でIE Testで出願している人の割合が余りにも多い。GMATで出願している人も、ほとんどが600点台前半。

 

「優秀な人と切磋琢磨するためにビジネススクールへ行くのに、学生が優秀でないのであれば意味がないのではないか?」という不安が頭をもたげました。

それでも「自分の直感がここだと言っているのだからそれを信じよう。長期で見たら、この学校は絶対に浮かび上がってくるはずだ」と信じることにしました。

 

不安だった点は、実際どうだったか

結果としては(少なくとも現時点では)杞憂でした。しかも思いの外早く結果が出ました。

今、僕と同期になる2018年1月入学生10人程度のプロフィール取りまとめをしていますが、過去の学生プロフィールと比べて格段にスペックが上がっています。IELTSで受験している学生は皆7.5以上で、7.0しか取っていない僕が一番低い。合格者の半分以上はGMATで出願しており、その全員が600点台後半か700点台。Undergradの学校レベルも非常に高い。

理由としては、2017年版Financial TimesのMBAランキングで8位と前年の12位から上がりトップ10に入ってきたことでトップ層が安心して選べるようになったこと、僕と同じく「他の学校とまるで違うIEらしさ」に惹かれてピンポイントで選ぶ人が多かったのではないかと思っています。

 

IEのちょっとイカれてると思うけど大好きなところ

学校パンフレットの最初のページ、学生プロフィールの欄に"Unconventional thinkers that dare to be different and embrace change as a form of growth and innovation"て書いちゃうところ。すごく狙ってる感じがするしクサいんですが「そうそう、それなんだよ俺が求めてるのは」ってめちゃめちゃテンションが上がりました。

 

学校パンフレット

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しかもこのDiversityへのこだわりは尋常でなくて、2017年9月入学の学生、2018年1月入学の学生を見渡すとあまりにも出身業界や職種がバラバラ。マドリードへ行くとこれが500人規模の多人種、多国籍で発生するので「まさにカオス」だそうですが、本当にそうだと思います。

他のトップスクールと話すと、学校によっては金融コンサル商社で9割方を占めていたり、一方で製造業出身がやたら多いスクールがあったりしますが、IEのこのバラけさせ方は驚異的だし、執念めいたものを感じます。

 

まとめ

そんなわけで、色々と迷いながら絞り込み「エイヤ」で決めた志望校ですが、現在は大変ハッピーです。「成長とイノベーションのために、人と違うこと、変化することを厭わない人」と多くの時間を過ごす人生を過ごしていきたいと思いますし、その軌道に乗れていると感じます。

IEに関してでも、他の学校についてでも、知りたいこと、疑問に思うことなどがあればお気軽に連絡ください。keidgi@gmail.comでもいいですし、以下のツイッターアカウント宛に投げていただいても大丈夫です。(相互フォローでなくてもDM受けられます)

twitter.com

僕にキャリアにおけるMBAの位置付け

ビジネススクールに合格して色々な人と話しましたが、進学の同期は結構様々です。

 

社費の人々の場合は「卒業後会社に戻ってバリバリ上を目指す」人、「出世にはあまり影響せず、福利厚生の一環」という人、「実は転職したい」人、などなど。

私費生は一般にキャリアチェンジを目指してMBAを取得するわけだけど、これまた「王道のコンサルや外資金融に進みたい人」もいれば起業や海外就職を目指す人もいます。(こちらは少数派ですが)

 

 

僕にとっては、「なぜMBAバット(武器)が欲しいのか」とツイッターで質問された時に答えた以下のツイートがすべてだな、と思っています。

 今の人生の延長であれば地を這っていくしかない自分に、飛べる可能性を与えてくれるもの、それがMBAだと。無論、翼が脆かったり体力・筋力がなかったり、風に煽られたりしたら落ちて大怪我をするわけですが、それでも、丸腰の状態に比べれば「飛べる可能性」と「崖を蹴るための勇気」を与えてくれるだろうと。

 

抽象的なので、僕自身の境遇を引っ張ってみたいと思います。

 

僕の今の仕事は、アメリカに本社があるソフトウェア企業の、日本市場担当のセールスです。外資の営業は、成績が悪いとクビになるリスクはあるものの基本的にそこそこ高給ですし、退職金はないもののストックオプション・RSU(現物株交付)、ESPP(自社株をお値打ちに購入)などなどで給料以外にも結構実入りがあります。僕が貯金0の状態で日本に帰ってきて、5年間で1,000万くらいの貯金を作れたのもそれに助けられたところが大きいです。

キャリアの観点から言うと、外資企業の日本の営業というのは「ローカル市場のスペシャリスト」です。日本語のネイティブで、日本の商習慣や日本のお客さんの考え方を熟知しており、この市場でパフォーマンスを出すことが求められます。自然「日本で成果を出したから次はシンガポール担当のセールスになりたい」みたいな異動は滅多に通りません。(英語がネイティブレベルだと、稀に通る人もいます)

ローカル人材である外資営業が、ジュニアセールス→シニアセールス→セールスマネジャー→セールスディレクターとして上っていくと、通常はカントリーマネジャーにたどり着きそこがラストです。年収は数千万〜場合によって億に届くと聞きますが、「ローカル人材」の呪縛からは逃れ得ません。

 

僕は、今後数十年のキャリアをすべて日本で過ごすと思うと堪えられなかった。

かといって、日本市場のスペシャリストとしてローカルスキルを身につけてしまった僕が、外国へ行って営業として雇ってもらえるとは考えられませんし、営業以外に特に得意分野があるわけでもありません。

お金を持ってどこかの国へ行って起業する、という手段はあることはありますが、2人の子供を持つお父さんがやるにはリスクが大きすぎる。

 

と、ここでMBAの出番です。

 

MBAは「トップスクールでMBAを取得することで最悪起業や海外就職ができなかった時の再就職に保険をかけつつ、ビジネススクールで学ぶ内容やそこで出会う人々、また地理的に日本国外であるということから海外起業・海外就職の手段を探る」というのにうってつけなわけです。

たぶん根っからの起業家はビジネススクールなんて行かずに勝手に起業するんだと思いますが、僕みたいにちょっと勉強のできる気の小さな人間にはちょうどいい手段でした。

 

だらだら書きましたが、とりあえずそんな感じ。

MBAというとみんなキャリアアップしにいくようなイメージがあるかもしれませんが、僕みたいな「やりたくないことはたくさんあるが、やりたいことは不明確」な人が行くような例もあるということで、参考になりましたら幸いです。