辺境系キャリアのレシピ 〜新卒即無職→海外就職→スペインMBA→?〜

36歳男性、3人の子持ち。2018年1月よりマドリード・IE Business SchoolのMBA学生をやってましたが、帰国して起業失敗からの今は外資ITサラリーマンやってます。

外資IT営業転職と英語、業界外からのエントリー戦略について

3週間前に『「外資IT営業」という現代の傭兵稼業のすゝめ』というエントリーを書いて以来、連絡をくれた20代〜30代の40人ほどとZoomでお話しした。何人かとは継続的なお手伝いの約束をして、CV(英文履歴書)作りや企業への応募準備を進めている。(皆やる気があり、優秀。支援をしていて楽しい)

 

tomyuo.hatenablog.com

 

面談の中で多く聞かれる質問が「外資ITで働くのに、どのくらい英語ができる必要があるのか」「現在まだ英語は話せないが、それでも外資への転職は可能か」というものだ。

 

僕からの回答をまとめると「英語が苦手でも外資転職は可能。ただし君が若さとポテンシャルだけを武器に業界に挑戦するのであれば、英語はできたほうがいい」となる。今日は、その理由を順を追って説明したい。

 

 

大前提:外資IT営業に求められるのは完璧な英語ではなく、完璧な日本語

どうして外資IT企業は、日系企業が支払う賃金相場の1.5倍〜2倍もの給料を支払って日本人営業を雇いたいと思うのだろうか?答えは、日本マーケットの特徴にある。

 

商談相手の99%は日本人

君が外資IT企業に入社した場合、英語で商談をする機会はほとんどないと言っていい。なぜなら君が担当するお客さんは日本の企業だからだ。英語での商談がまったくないとは言わない。外資の日本ブランチや外国人が経営する日本企業がカウンターパートになる場合はある。でも、割合としてはせいぜい、全体の1〜2%といったところではないだろうか。

 

そんな事情なので、日本人営業に「ネイティブレベルの英語力」が求められることは絶対にない。一方でネイティブレベルの日本語力は必須だ。

 

極度にハイコンテクストな日本人のコミュニケーション

見込み客を訪問しプレゼンしたところ、先方の担当者が「使えそうなソリューションですね。持ち帰って部内で検討します。」と答えた。ミーティング後、チームの日本人たちが首を傾げている横で、オーストラリア人の上司が小躍りしている。「やったぜ!めっちゃ気に入ってたな!来月には受注できるんじゃないか?」無理ですボス…日本はそういう国じゃないんスよ…

これは、僕自身の経験である。

 

エリン・メイヤーというフランスのビジネススクールの教授が世界各国のコミュニケーション特性を指標化しているんだけど、日本はその中で最右翼「シビれるくらいにハイコンテクスト」に位置する。

 

相手の言葉をそのまま信じたらコミュニケーションにならない。背景や意図を汲み取って、先回りして動かないといけない。そんな文化の中で商談を前に進めていくことは、日本語ネイティブにしかできないと言っていい。

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参照元:エリン・メイヤー『異文化理解力

さて、それほど日本語力が大事なことはわかった。英語はいったいいつ必要になるのだろうか?

 

英語は必須ではないが役に立つ

小さな組織ほど、社内コミュニケーションに英語が必要

正直、君が日本法人だけで社員数500人を超えるような大きな企業を目指すのであれば、おそらく英語は必要ない。君の上司は日本人だろうし、営業資料から教育マテリアルに至るまで、必要なリソースも全部日本語化されている。現にSalesforceAmazonは、リクルートやインテリジェンスなどの日系エージェントを通じて採用を行なっている。

 

しかし、これが小さな組織となると話が変わってくる。日本法人に十分な質的・人的リソースがないため、必要な情報を本社やアジア太平洋地域の本部(シンガポールであることが多い)に取りにいかなくてはいけない。人事や経理も、そもそも日本にいないんだから本社と英語で話すしかない。時にはアメリカ人との電話会議も必要になるし、その中で技術的な課題を英語で説明しなくてはいけないような場面も出てくるだろう。

 

そもそも、そういった小規模外資起業の案件を取り扱っているエージェントが外国人ばかりなので、応募にたどり着く前に英語で振り落とされる候補者が多いという現実がある。

 

小さな組織はまず研修から英語、直属上司が外国人の場合も

僕は2013年にTableau Softwareという会社の日本法人に入社したんだけど、このとき、日本法人の社員は僕を入れて3人。僕は『APAC Commercial Sales』という部門に所属することになった。チームには中国、インド、オーストラリアなど各国の担当者が所属しており、直属の上司はアメリカ本社からシンガポールに出向していたアメリカ人。入社初日からシアトルに呼び出され、シアトル本社で3週間、その後シンガポールで2週間、みっちり研修を受けた。

その後何度か上司が変わったが皆外国人で、その状況は日本法人の社員が増え日本人のマネージャーが着任するまで続いた。3年半ほどだっただろうか。

 

こんな環境職場だと、人を採用するときの条件に「英語(特に会話)ができること」が入ってくる。僕の所感では、英語が必須なのは日本法人の規模が50人未満の組織だ。

 

英語ができる日本人は少ない

君が思っている以上に、英語ができる日本人は少ない。英語ができる人間が少ない上に「英語ができて、なおかつ営業もできる人間」となるとさらに限られる。

英語ができるとコミュニケーションの摩擦が減るため、海外の同僚から重宝されるし、日本の同僚たちからは頼られる。まさに「英語屋」だが、少なくとも自分のポジションを確保できるのだ。

 

 弱者の外資IT転職戦略

さて、ここから先が、僕がこの記事で一番伝えたいことだ。

 

君の転職ライバルはどこにいるのか

まずは下の4象限チャートを見てほしい。

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縦軸に営業としての実績を、横軸に英語スキルを取って、それぞれの象限に名前をつけたものだ。当然、営業として実績があり、英語もできる人間が最も価値が高い。彼らこそがスターだと言えるだろう。一方で「営業力なら自信があります!」という歴戦の猛者や「英語力はあるけど営業は素人です」という場合は上でも登場した英語屋だろう。営業としての実績もなく、英語力も未熟な初期装備状態はひよっ子と言って差し支えないだろう。

 

市場にいる人材の分布をこのチャートにプロットしてみると、たぶんこんな感じ。

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誰でも最初はど素人。「ひよっ子」からのスタートだ。でも市場を見渡すと「歴戦の猛者」は実は結構いる。なぜなら、営業は世の中で最も多くの人が従事している職業だからだ。

 

君が転職しようと思う場合、これらの「歴戦の猛者」たちを御して選考に勝ち残らなくてはならない。

 

外資が採用したい人物像とは

さて、今しがたのチャートに、採用時の合格ラインを追加するとこんな感じになる。

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当然、営業としての実績と英語スキルを兼ね備えた人間が真っ先に採用される。

だがこの図で興味深いのは、営業力と英語力、どちらかに能力値を振り切った人間も採用されるということだ。(もちろん、どちらかがゼロではさすがにダメだろうが、そんな人間はそもそも応募を考えないだろう)

 

試しに想像してみてほしい。君が面接官だとして「英語は得意ではないですが、私はどんなノルマを与えられた場合も必ず200%達成してきました」という人間がやってきたとしたら君は彼/彼女を採用するだろうか?多くの人が、イエスと答えると思う。

 

弱者は英語を武器に戦え

もし君が「新卒で日系企業に入って数年働いた」という、外資転職の一歩目を踏み出す際に最もよくあるプロフィールの場合、不本意ながら「ひよっ子」のカテゴリからスタートしないといけないことが多いだろう。外資IT営業として採用されるためには、営業としての実績か英語スキルか、少なくともそのどちらかで抜きん出る必要がある。

 

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僕のおすすめは、まず「英語での面接を通過できる程度まで英語を強化する」ことだ。英語スキルによる差別化という競争の緩い領域でライバルを蹴落とし、スター営業へのチケットを掴む戦略である。

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1年やそこらで「営業として見栄えのいい経歴」を作り上げるのは非常に難しいが、たとえば1年間、毎日25分間のオンライン英会話を繰り返せば、外資の面接を突破できる程度の英語力は余裕で身につく。(英語力の鍛え方や英語面接対策については、また別のエントリーで紹介する)

 

英語によって自分を差別化することが、外資IT営業に潜り込むための最短距離なのだ。

 

外資IT営業への転職を考える人は、この考え方と戦略を頭に入れておいて損はないと思う。

 

外資IT営業転職Zoom面談(無料)やってます

そんなわけで、今回も最後に告知をさせてほしい。

 

前回の記事でも告知したが、引き続き外資IT営業への転職を考える人向けのZoom面談を行なっている。基本的に平日の20時〜22時の間か、土日の午後だ。

今後の自分のキャリアを真剣に検討し、相談をしてみたいという方、時間は確保させてもらうのでぜひご連絡いただけたらと思う。以下の3箇所のどこからでも大丈夫だ。

 

1. LinkedIn

2. Twitter

3. Eメール(keidgi@gmail.com

 

今のところ、面談希望の連絡を頂いた方とは100%面談を行なっている。(逆に「トミオに連絡したのに返信がない」という方、お手数ですが再度ご連絡ください)

 

ただ、無料だからなのか、事前連絡なしのすっぽかしや、当日の面談直前にリスケ依頼を複数回送ってくる相談者も一部いたため、今後は、初回相談に関しては若干の料金を頂く形に変更するかもしれない。もし「いつか相談しよう」と思っていた方がいらしたら、無料の今の機会にご連絡いただけたらと思う。